東京音楽#5 「魚になりたい」大江千里

忘れたころに、やってもいいですか?夏になったら絶対これをとりあげようと思っていたのにホントにすっかり忘れていて、もう秋ですわ。いやはや。でも、私が上京する前の通勤電車のイメージってこんな感じだったのです。

半月もたつと くせもいろいろ知って
次は何をするのか 目をふせても想像がつく
来週は髪をみじかくして
笑い足りない風になってしまうのさ

見かけよりひとりでよくいるねマドンナ
決まったように恵比寿で高い空を見上げる

まあ、言ってしまえばストーカー1歩手前か?って気もするんですが、私にとって電車は「都会」のイメージ。そして「都会」の出会いの場、と勝手に妄想が膨らんでいたのでした地方都市でこじんまり暮らしていた女子中学生の頭の中では!小、中と徒歩、高校で自転車orバス、会社は徒歩圏内…という地元暮らしでは電車に対する憧れのような思いは膨らんでいく一方。
で、実際に上京して電車に乗ってみるとまーそんな毎日定時に定位置に乗れるはずもなく、そして乗れたところでぎゅうぎゅうで朝から死にそうになり、チビッコの私はときどきかかとを浮かせたまま新宿まで運ばれることもあるくらいで。誰かを半月も見つづけてくせがわかるようにはならなかったのでした。そもそもその「誰か」と出会わない。
でもね、電車に乗っていると思うこともあるのですよ。

明日もとどかないまなざしを浮かべてドアが閉まる
流される毎日に ベルが鳴る
混みあった ふた駅の間に雲が切れる
ぼくはきみに しぶきあげる魚になりたい
流されそうな時をはねる魚になりたい

朝、電車で、職場まで運ばれると「流される毎日」って感じがします。まあ、それもあとちょっとなわけですが。

red monkey yellow fish

red monkey yellow fish

↑「魚になりたい」はこのアルバムの3曲目。中学のときは本当によく聞いてたなー。