怪しい隣人vol.8 青山陽一×MAMALAID RAG(2005/10/03 下北沢Que)

うはあー。本当に楽しかったです。心地いい…ていうか、気持ちいいライブでした。今回このライブに足を運んだのは偶然というか、まあ言ってみればたまたま、なんですが、本当に行ってよかったです。初見、さらにCDもきいたことがないという状態で今日ここにいられたことを幸せに思うし、行こうと思った自分をエライと思うくらい。スタートが19:30で終わったのは22時回ってたんですが、そんなの全然気にならなかったな(…終わってから階段上るときに足にキタけどね)。まあとにかくそんな極上のライブでした。
まずは、まだSEが流れている状態で青山さんが登場。久しぶりに、この『怪しい隣人』というタイトルの主旨を説明しようとするも「怪しい人を招いて」とそのまんまやん…。でも「気になる人を招いて、今回は非常に若いんですが」とMAMALAID RAGを紹介。そしてそのままMAMALAID RAGのライブへ。私が今回、このライブに来たきっかけの1つは『アタタカイ雨 feat.田中拡邦(MAMALAID RAG)』を聴いたからなんですが、実は聴いたのもラジオでたった2回だけという…。実際に見るのも初めてだったのですが、これがまた、田中くんがかっこいい!!そして歌い出すと、声もいい!!瞬殺。最初にラジオで聞いた印象が、まあ曲が冨田ラボってこともあって「…堀込弟?」だったんですが、もうちょっと、低いというか、男っぽさを強くしたような声。歌うときに目を伏せるところとか、すごいいい。曲も非常に好みだったんですが、とにかく声としぐさにやられました。表情や動きがあまりないんですね。でもちょっと身体を後ろに倒して弾くギターとか、バンドメンバーと目を合わせて微笑むところとか、非常にいい。やーひっさしぶりに普通にかっこいい人*1を見て胸を躍らせたという感じでございます。今度のアルバム買います間違いなく*2。っていうか、今度だけじゃなくこれまでのも買いそうな勢いです。
インスト1曲含め、全部で8曲くらいやったかな。『街灯』は青山さんも向かえてのセッションも。セッションをするにあたって、メールで打ち合わせをしたという、2人。「メールだしても2人ともなかなか…返ってこなくて」という田中くんに、返した、という青山さん。田中くん曰く「(メールを出す前に)添削してから出しているんで…」とのことですが「そんなに長くないよね」と青山さん。なんかこういうテンポが微笑ましい。新曲の『カレンダー』では途中で歌詞間違えたり、『悲しみにさようなら』ではチューニングに失敗したのか、すぐ止めてしまい再び音を合わせる田中くんと江口くんの会話。江「チューニングは基本だからね…」田「はい。一から出直します」江「応援するよ」お、おうえん…!!どうも田中くんはMCは苦手っぽい。「しゃべりながらやるのは難しいんだよ」なんて言って、言い訳するなとツッコまれておりました。そしてなんと最後の曲は『アタタカイ雨』!!ぎゃー!!もうどうにでもしてってくらいメロメロになったところで終了。
そして、続いて青山さんの登場。青山さんも見るのも、聞くのも初めて。いや、でもね写真でメガネ顔は知っていたし、何よりsahyaさん*3の惚れた男ですから。ね。何度かsahyaさんのところで青山さんについて書かれていて、ずっと気にはなっていたのでした。さっきは緑のTシャツだったのに、黒の細かいドットシャツ(長袖)になっていて、急に大人な感じ…って、十分大人の方に失礼ですか…。でも、最初に出てきたときに、「若っ!」って思ったんで。やー、写真では拝見しておりましたがね、実物もホントに若いんだな…。すでに田中くんで骨抜きにされていたわたくし、1曲目はあまり声がでてないように感じたのですが、2曲目から急激にどーんときて、腰砕かれました。なんていうんだろう…年を重ねている声であるはずで、それは感じるのだけど、基本的に少年のような声…とでもいえばいいのか、いや逆に少年のままの声を残したオトナの声というべきなのか。上手くいえませんが、その2つが同居した、でも危ういというよりは気持ちのいい声。そして音。私は音楽の細かいことは全然わからないのですが、なんていうんだろうな…イメージとしては、迷路を入口から出口まで最短距離でいくのではなく、いろんなところをあえて回って、その回り道は決して道に迷っているのではなく、歩いているほうも迷っているとは感じず、楽しく走りつづけて、出口に着く…ってわかりませんね、すみませんね。単純にいうと、すっごく複雑なことをしているんだろうけど、聴いているほうはそんなこと感じなくてただ楽しくて、体が自然に動いて、ずっと聴いていたいなあって。こんなに気持ちよく身体が勝手にリズムを刻むのはあんまり記憶にないなあ。全部で9曲くらいやって、MCでは今度出るアルバムの話とか、クリスマスのワンマンの話とか。ワンマンのゲストを「まだ言えないんですよ。発表のタイミングとかね…」と言ったあとで「あんまり言うと、怒られるかな」。ワンマンがクリスマスなんで、予定のない人は…なんていって会場から、そんなこと言っちゃだめだと注意されて「じゃあ、彼氏との約束を蹴って、来てください。彼氏や彼女とのね…」なんて言ったり。Queの客席後方には11周年と書かれたパネルが上げてあるんですが、それをみて「去年も10周年で演らせていただきましたが…11…11?…11ってのは…ねえ。」みたいなことも言ったり。そしてメガネ好きにはたまらないシーン(←メガネを外しタオルで汗をふく)まで見させていただきましたよー。うはー。和むMCとガンガンきかせてくれる音。両方楽しむことができました。
最後、アンコールで1曲演ったあと、田中くんを呼んで、2曲。メールでやりとりして決めたという曲、まずははっぴぃえんどの『抱きしめたい』。この曲は、田中くんがかなり思い入れがあるようで。高校時代ははっぴぃえんどばっかり聞いていたらしい。で、この曲どこがすごいのかというと3番の歌詞。「『僕を燃やしてくれ』っていうのはね、よくあるんですが、『君を燃やしてしまうかもしれません』っていうのは…松本隆さんしか書けない!」と。そして田中くんに「君を燃やしてしまうかもしれません」と歌われて、まんまと魂持っていかれました…。もう1曲はCREAMの『I'm so Glad』を。青山さんと、田中くんの声が重なると、全然違う声なのに綺麗なんですよ…聞き惚れる。最後のギターもかっこよかったなあ。ギター弾きながら、青山さんは田中くんのほうを見て、ちょっと笑ったりしているんですが、田中くんのほうは表情変えないんだよなあ。なんかね、よかったですよ。息子を見守るような(や、そんなに年は離れてないのは承知しているんですが)優しいまなざしで。
そんなわけで非常に満足したライブでした。この半年ではベスト3に入るってくらいよかったなー。なんかね、自分には大好きな音楽や大好きな人がたくさんいるんだけど、こうしてまだまだたくさんいいなって思えるものや人に出会えるのってすごいことだと思います。幸せだ。




*1:えーっと、私の好みをご存知の方はわかるかと思いますが、私はかっこいい=好き、ということはあまりないんで。

*2:11月にミニアルバム(←今日、工場へ行ったらしい)、年明けにはアルバムの予定とのこと。

*3:id:sahya