東京音楽#1 「現在位置」スネオへアー

「東京」をキーワードにした曲について、つれづれ書きこめてみようかと思いまして。考えてみれば、「東京」という地名はかなり特殊で、これほど歌に出てくる地名もないのでしょう、日本では*1。そんなわけで、結構たくさん出てくる「東京」を集めてみます。

で、やっぱり最初はスネオへアーで。
スネオの歌ではタイトルに「東京」とついていなくても、東京を十分に感じさせるものがいくつかあります。それはきっと、スネオ自身が新潟から上京してきたってことと深く関係していて、同じ日本海側民としては、なんとなく通ずるものがあるのです。私にとっての心のベストテン第1位を争う1曲の「スピード」もそうなのですが、この曲についてはまたいずれ。今日はもっとストレートな「現在位置〜You are here〜」です。

決まったように 向かう先に
吸い込まれる 人たち
僕は 足を 止めてみる
みつめあった 気づいたら僕は浮遊した現在位置を知る

この視点が東京者、ではなく上京者だと思うのです。と、いうのは単に上京者である私の視点と一致するからって理由だけなんですが。「吸い込まれる人たち」を足を止めずに、でも見ている日々。もちろん自分も吸い込まれる人たちで。同じように吸い込まれながら、もう一人の自分はそこで足を止めて、動いているすべてのものを見つめている。その、スピード感と、スローモーション。音は、それまでの抑えたテンポから、力強さを増す。

今夜トウキョウタワーに月はササッテル
鮮明なフィルムのネガのように
暮れゆく夕日に溶け込んで
なんだか悪くないなと思わせる

この「ササッテル」がスネオがスネオたるところ、というか。でも、「悪くない」というところで、気持ちがすっと落ち着く。この間、初めて六本木へ行って、間近でライトアップされた東京タワーを見たのですが、ああ、いいなって思いました。悪くないな。月は刺さってなかったけど。
スネスタイル
「現在位置〜You are here〜」は「スネスタイル」収録。スネオのメジャーデビューアルバムです。「パイロットランプ」「訳も知らないで」もいいですが、ライブで盛りあがる「アイボリー」もいいんですが、「Over the River」も故郷を思い出してしまって、なんともきゅうっとなる名曲です。


*1:うちの地元は日本海側なんで、地名がでてくると、一気に演歌風になる。演歌風にならない地名っていうのは「東京」と「沖縄」くらいかなあ…。「大阪」「京都」はどっちに転ぶか微妙、と思います。