約三十の嘘(in渋谷シネクイント)

行ってきました。ふらふらと。結構間際に行ったにもかかわらず、ちょうどど真ん中の席が一つ空いていたので、いい席でみることができました。公式HPもあるので、そこでだいたいのストーリーはわかるのですが、まあ、こんな感じです。

大阪駅構内。せわしなく行き交う人の流れ。豪華寝台特急トワイライトエクスプレス>の出発ホームを目指し、一人二人と姿を表す詐欺師たち。下リーダーの志方(椎名桔平)。クールな美貌・宝田(中谷美紀)。元アル中の佐々木(妻夫木聡)。皆を集めた新チーフ久津内(田辺誠一)。お調子者の新参者・横山(八嶋智人)。そして京都駅で待つ、ボインの女・今井(伴杏里)。今回の仕事は偽物の羽毛布団の販売。札幌での仕事は大成功を遂げた。白いスーツケースの中には札束の山。大金を手に入れ、さまざまな思いが交錯する6人。夜が明け、また新しい朝がやってくる。そして事件は起きた。大金の詰まったスーツケースが走りつづける列車から消えた…。
約三十の嘘公式HPより

まあ、とにかく豪華なキャスト。ストーリーとしては、そんなにヒネリもなく、非常にわかりやい。正直な感想としては「世の詐欺師がみんなこんなにいい人だったらスバラシイ」という感じですかね。メンバーの思いが交錯していくのですが、その部分もまあ、わかりやすい。タイトルにある「嘘」が、もうちょっと複雑なものだったら…よかったかもなあとも思います。私としてはタイトルの「約三十の嘘」が結構気に入っていていたのですが、結局途中のセリフに出てきただけで…なんかちょっと物足りない、というか、おしい。
でも、寝台車、限られた時間という設定ではあまり複雑なことはできないのかもしれないですね*1。そう考えればコンパクトにキレイにまとまったこぎれいな作品、と言えるのかも。終わり方もそうだし。でもそれは宝田(中谷美紀)の視線でみればという話で、他の人の視線から見ればなんとも納得いかないような、なんなんだ一体という面もあるのですが。だから、私としても「宝田はうまいことやったし、最上の結末なんだろうけどなあ。でも、なんだかなあ…」という感想を抱いているのだと思います。
でもでも、深く考えずに舞台となった寝台車のセットがかわいいなあ、とか、音楽はさすがクレイジーケンバンドだなあ、とか、しかしこのキャスティングはいいなあ、とか思いながら見ると十分楽しめました。椎名桔平はかっこいいし、中谷美紀は綺麗だし。そして繊細なへなちょこ男をやらせると素晴らしいなあ、田辺誠一。本当に頼りなく、でも限りなくいい人さがでてる。そしてそして、妻夫木聡は私はあまり彼をたくさん見ているわけではないし、もっと主役を張っているような人なのでなんとも言えないですが、何か心に残る演技をする人だなあ、と思いました。そして、ゴンゾウ…本当に映画の出番はほんのちょっとなのね…。

そして、本当に自分はどうしたものかと思うのですが、キスシーンをみてドギマギしたのは久しぶりです。王子…。だってさあ、あれはさあ、明らかに「若い子をたぶらかそうとするおっさん」じゃない!!でもそんな八嶋王子に心掴まれている私…うわーんッ!!ごめんなさいごめんなさい!!(←誰に謝ってるのかももはやわからない…)しかし、胡散臭いお調子者、似合いますねえ。


*1:この設定なら、舞台の方が活きるかもなあ、なんて帰りの電車で思いました。密室の群像劇。